選ばれた…勇者(?)

 



ナレーター   とあるお国の物語。

       広野に走る一本の街道。その道をまっすぐ進み、一つの大きな森を抜けたところにその国はありました。

       その国の人々は、毎日小鳥のさえずり、新緑、草花の甘い香りに包まれ、とてものどかに、そしてとても平和に暮

らしておりました。

…一ヶ月前…、自らを魔王と呼ぶ者が、森に移り住むようになるまでは・・・。

        それからというもの、鳥の声は消え、緑たちも枯れ、森の上空には常に暗雲が立ち込める有様でした。

       そのため国の人々はその異様な空気に怯え、いつ災厄がこの身にふりかかるのではと恐れをなしておりました。

 

 それに見かねた王様は、各地におふれを出し、世界中の戦士達を集め、ついに魔王を退治することを決意したのです。

話はここから始まります・・・。

 

 

    タッタカター・タカタカタカタッタカター (ファンファーレ)

 

 

従者1   「おぉうさまぁ〜の〜、おなぁ〜りぃ〜〜〜〜!!!!」

 

 

   (ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ)

 

 

王      「諸君!今日はよくぞこのコウコロスキ・ハーヴェスト・タイタイ王国のキョウザメ・ドン・コロスケ城に集ってくれた!今日集まってもらったのは他でもない。

        一ヶ月前、我が国の隣に住み始めた、自らを魔王と呼ぶ者を倒してもらうためである!

        各地方に出したおふれを見た者は分かっておろうが、あの魔王が住み始めてから、我が国の民は不

        安と不信でいっぱいになっておる。

そこで、我が国の平和のため皆の力を借りようと、ここに集ってもらったというわけじゃ。

 

  そもそも魔王というものは・・・。

   (魔王についての説明が長々と始まる)」

 

 

    (ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ)

 

 

ケン      「くぅ〜〜〜!魔王退治か〜!わくわくしてくんなぁ〜!」

 

 

 

   (ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ)




アミリ            「ねぇねぇ、あなたの格好、それって魔法使い??? その衣装とっても綺麗ね〜。」

レイ             「・・・。」

アミリ            「アタシ、アミリって言うの☆ えへへ、アタシもそれくらい綺麗な服着てたのよ〜♪

アタシ元踊り子だったんだぁ〜♪」

レイ             「へぇ、そうなの。」

アミリ            「うん!それでね!アタシいろんなとこで踊ってたの!もうみんなからカワイイカワイイって、

           人気者だったんだからぁ〜♪」

レイ             「ふうん。」

アミリ            「・・・。 なによ、、、とっつきにくいわねぇ、、、。

        

          あー、もしかして、あれね。どーせ限られた人にしか使えない魔法を使えるんで、アタシとは 住  

           む世界が違うとか思ってんのね。容姿もそこそこいいからってお高くとまってんだぁ〜。」

 

レイ        「くすっ、そうかも。」

 

アミリ      「んなっ! なによそれ! あんた今の本気で言ったの!?

          あ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

レイ       「まったく、、、あぁいううるさいのは苦手だわ、、、。」

 

   (スタスタスタスタ)

 

   (バンっ!)  (誰かとぶつかる)

 

レイ        「いたっ!」

ランス       「あ、すみません。」

レイ        「い、いえ、、、。 ??? ん? あの人、、、どこかで見たような・・・?」

 

 

王         「というわけで、あの魔王には私も翻弄されっぱなしなのじゃ。

           ここで是非とも皆の力を借りたい!どうか我が国の平和を取り戻しておくれ!」

 

ガヤ        「おおおおおおおおおお!!!!!!!!!」(ちゃんと話を聞いてた奴等)

 

王         「皆の意気込み、心から感謝する。

           それでは早速だが、魔王退治に行くにあたって、部隊をいくつかに分けたい。

           大勢で行って、一網打尽にされては困るからな。だいたい5人編成にしようと思う。

         

          さて、ここにはおふれを見て名乗りを上げた戦士たちがいると思うが、その中でも我こそは!

          という者がいたら前に出てきてほしい。その中から最も強力な部隊を作りたい。

          もちろん魔王を倒した部隊には最上級の褒美を与えようぞ!」

 

ガヤ      「おおおおおおおおおお!!!!!!!!!」(さっきよりも大きく)

 

 

ガヤC      「おい! かなりの報酬だってよ!」

         「何がもらえるのかなぁ〜(わくわく)」

   A      「国を一つ作ってもらうというのはどうだ!?」

   D      「しかし、ここに来る途中で見た森を覚えているか? あそこまで酷い惨状を俺は初めて見たぞ。」

   E      「そういわれると魔王の正体というのが気になるな。。。一体何者なんだろう?」

 

王        「さあ、誰か我こそはというものは(おらんか・・・)!」

 

ケン   「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜

いいいいいいいいい!!!!!!!!!!!」(かなりどでかい声)(約8秒)

 

一同     (シーン)

 

 

ケン       「はい!はい!はいはいはいはいはいはいはいはいはい!!!!!!

          俺!俺がやる!俺がその悪い魔王ってのを退治してやるよ!!!」

 

 

ガヤC      「なんなんだよ! あいつは!!!。」

   B      「すっごい声、、、びっくりしたぁ〜、、、。」

 

 

王        「なんだ、あれは。」

従者1     「まだ、かなり子どもですね。」

従者2     「でも元気があっていいんじゃねぇーの〜?」

従者1     「あなたはまたそのようなことを、、、。でも確かにあの声には驚きました。」

王        「そうだな。。。だが元気なのはかまわんが、さすがにあの年齢と体格で、このようなことは…。」

従者2     「おや? ねぇ王様、ちょっとあのガキの胸に着いてる紋章を見てくださいよ。」

王        「紋章? おぉ、、、? あれは武士の家系で名の知れたアルハミリア家の紋章ではないか!?」

従者1     「ほう、それならあの若さでも、かなりの修行を積んでいるはず、、、。」

従者2     「試してみる価値あるんじゃなぁ〜い?」

王        「うむ、そこの者!」

 

 

ケン       「お! 呼ばれた! はいはいはいはいはいはいはい!」

 

  (テテテテテテテテテ)

 

              「そなた、名はなんと言う。」

ケン           「俺はケン! ケン・アルハミリアだ!」

              「そうか、ケン、お前の武器は何だ?」

ケン        「俺の武器はこの剣だ! これで魔王でもなんでもぶったぎるぜ!」

 

従者1      「本当に元気な子ですね。」

従者2      「仮にも王の御前だってぇのに、あの言葉遣い・・・。」

従者1      「あなたが言えた義理じゃありませんよ(笑)。」

 

王         「ではケン、そなたを試してみたい。よいか?」

ケン        「おう! いつでもこいってんだ!」

王         「よし、それではこのケンに勝つ自信のあるものよ! 3人前へ出ぃ!」

ケン        「え〜。3人? そんなのチョロイチョロイ、せめて10人でしょ!」

王         「じゅ、十人!? おぬし一度に十人も相手にできるのか!?」

ケン        「へっへっへ、俺を甘くみないでよ〜。」

王         「、、、よし分かった、、、。 では十人前へ出ぃ!」

 

 

ガヤC       「おいおい、ほんとにあのお子ちゃまが一気に十人も倒せるのか?。」

   B      「うーん、僕の魔法でならできるかもしんないけど、剣は無理だなぁ。」

   A         「そうかな? あれくらいできそうな気がするが?」

   D         「あんたのは「気」だけじゃないの?」

   A       「何?」(語尾を上げて)  

C       「なあなあ、おれたちも行ってみないか!?」

A      「お、それはおもしろそうだな。」

         「おい、勝てる自信あんのかよ?」

   B      「僕パス。」

   E      「オレもめんどくさい。」

   C      「なんだよ〜。 じゃあ、おれたちだけで行くか。」

   A      「ま、そうだな。」

   D      「おい! 本気かよ!」

 

 

   A      「こんにちは、おちびさん。」

   C      「いよっ! ぼうず!」

ケン            「おい、こら誰がちびだって!?」

ガヤA          「はっはっは、威勢がいいなぁ。」

 

               「準備はいいか?   

では、、、始め!!!!!!!!!!!!!」

 

ケン            「うぉぉぉりゃぁ〜〜〜!!!」

ガヤC          「ぐえっ!」

   A          「おっ、さすがに早い。今の一撃で5人吹っ飛んだ。」

ケン            「まだまだ!!!」

ガヤA          「何回も同じ手を食うと思うなよ!」

 

 どかっ! ばきっ! どごっ!!!

 

 

他数名        「うわぁぁぁぁ〜〜〜!」

ガヤA          「おー、 こわ。」

 

 

ガヤB          「Aさん、やるねぇー!」

   D          「へー、あいつ結構強いんだ。」

   E          「おお! そこだ! やれー!」

  

 

ガヤA          「とりゃ!」

ケン            「へへへ!」

ガヤA          「まったく、ちょこまかと。」

ケン            「こっち、こっち!」

 

 

  キンッ! ガキッ! バンッ!

 

 

ケン            「へぇ、そっちもやるじゃん。でも、俺だってやるんだからな!

                   いくぞ!

                   昇天錬殺爆裂破(しょうてんれんさつばくれつは)

ガヤA          「ん!? な、なんだ!? この地響きは!

                   ちっ!」

 

    ドォォォン!

 

ガヤA          「い、今のはほんとにやばかった、、、。」

ケン            「もういっちょ!」

ガヤA          「な、なに!?

                   くっ! うわぁぁ〜〜〜!!!」

                           

 

王          「うーむ、ほんとに倒してしまうとは・・・。」

従者1       「…相手もなかなか強かったというのに、、、。あれがアルハミリアの血」

従者2       「ひゅ〜、やるねぇ〜、ぼっちゃん。」

ガヤB          「あ、Aさぁ〜ん!」

   A          「あーあ、負けた、負けた。」

   B          「でもAさん、かっこよかったよ!」

   D          「ほんとおまえ結構やるんだな。」

   E          「Cなんか一撃で吹っ飛んだのにな。」

   C          「なっはっはっは。おれはあいつに花を持たせてやったのよ。」

   E          「はいはいはいはいはい。。。」

 

 

アミリ      「むぅぅぅぅ〜、、、なによあれ〜、一人だけ目立っちゃって〜。

            もうこんなとこにいる場合じゃないわ、アタシもここで英雄になって、アタシのこと馬鹿にして

            きたやつらをギャフン(死語)と言わせてやるんだから!

         

            ちょっとー!アタシだってねぇー!!!」

 

レイ        「王様!」

 

王         「! そ、そなたは、、、。」

 

レイ        「私にもやらせていただけないでしょうか?」

アミリ       「あ! あの女!!!」

 

 

ガヤA      「おお、、、。 あれは。。。」

   D      「ああ、コーネリア家のお嬢様だ。」

   C      「うわ、すっげー美人だな。。。」

   B      「あの人も魔法使い?」

   E      「あー、コーネリア家って言ったら回復魔法、攻撃魔法、更に召喚術まで長けてるっていう、ありえない家のことだよな?」

   D      「ああそうだ。ただでさえ魔法は限られた人にしか、しかもその人の系統にあった魔法しか使えなないというのに、三大魔法全てを使えるんだから、、、こりゃ、もう最強だぞ…。」

B      「僕も回復魔法しか使えないー。」

 

 

王        「そなたはコーネリア家のレイだな? そなたの家のことは私の耳にも入っておる。

          何でも不治の病に倒れた村を丸ごと一つ救った、とか。」

レイ       「それくらい、私たちの魔術によれば雑作もないことですわ。」

王        「…そうか。

          そうだな。そなたなら、あの魔王の魔術にも引けをとらないであろう。私も安心して任せられる

          是非強力部隊の一員となってくれ。」

レイ       「くすっ。おおせのままに、、、。」

 

アミリ      「ちょっと待ってー!!!」

 

一同       「ん???」

 

アミリ       「あ、アタシだって! 魔法は使えないけど、そこにいる熱血バカがやったくらいのこと、できるわよ!」

           

ケン        「むっ!? 熱血バカ!?」

王         「ほう」

 

レイ        「あら、あなたさっきの。」

アミリ       「そうよ! さっきはよくも人のこと馬鹿にしてくれて!」

ケン        「熱血バカってなんだー!」

レイ        「(無視)くすっ、だってこれは魔王退治なのよ。遊びじゃないの。

           踊り子のあなたがどうやって戦うっていうのかしら?」

ケン        「そうだ! それに俺は熱血バカじゃないぞ!」

アミリ       「(無視)きぃぃぃーーー! その笑いやめなさいよ! それに「元」って言ったでしょ!「元」って!

            今はその踊りを生かして武道家になってるんだから!」

ケン        「こら! 聞け!」

レイ        「あら、武道家。そう、知性がない分、体力に持っていったというわけね。」

アミリ       「なぁ〜〜〜〜んですってぇ〜〜〜〜!!!!」

 

従者2      「おいおいおい、やめないか。」

従者1      「仮にも王の御前ですよ。」

 

 

ガヤD      「なんだか、大変なことになってきたなぁ。」

  C      「うぉぉ〜、美女が二人〜(デレデレ)」

   E      「アンタってほんと面食いだな・・・。」

 

 

王         「まあ、よい。して、そなたも腕に自信があるのだな?」

アミリ       「もちろんです!」

王         「名はなんと言う。」

キャ        「アミリです。」

 

 

ガヤC       「うぉぉぉぉ〜〜〜、アミリちゃぁーーーん!!!」

  E       「、、、うるさい、、、。」

 

 

王         「アミリ? ほう、かわった名前だな。 本名か?」

アミリ       「ぎくっ…!? え、ええ、もちろん本名ですとも!」

王         「そうか。ふむ。」

アミリ            「(あぶなぁ〜い、、、。やっぱりちょっと変わった名前にしすぎたかな、、、。

                   でも、もしアタシの本名知ったら、、、また、、、またみんなに、、、。」

               「しかし、アミリよ。」

アミリ            「うわっ! は、はい!」

               「本当にそなたもさきほどのケンのように戦えるのだな?

           これは至極危険な旅になるやもしれんぞ?」

アミリ       「大丈夫です! アタシの技にかかったら、十人と言わず、十五人、いえ、ニ十人はいけます!」

王         「ほう! ニ十人!」

ケン        「なんだよ! また俺をバカにすんのか!?」

王         「ふふ、では、やってみるがよい。」

 

バンっ!

 

従者3         「王様! 大変です!」

               「何事じゃ! 騒々しい!」

従者3         「魔、魔、、、魔王が放ったと思われるモンスター達が城に攻めてきました!!!」

 

一同            「「「なに!!!」」」

 

ガヤE          「お、おい! 何か入ってきたぞ!!!」

   C          「おい、あれってまさか、、、。」

   D          「ああ、肉体を持たない、骨格だけで動き回る死霊の騎士。。。」

ガヤ全員      「「「「スケルトン!!!」」」

 

従者1         「王様! 早くこちらの安全な場所に!」

               「う、うむ。」

 

 

従者2         「おまえら! こいつらは魔王の手下だ! 一つ残らずたたっ壊せ!」

 

一同       「おおおおおおーーー!!!!!」

 

従者1         「ほら、私たちも行きますよ。」

従者2         「およ?おまえ戦えんのかよ?」

従者1         「これでも王の付き人ですよ? 王を守れなくてどうするんですか。」

従者2         「まあ、確かに?」

従者1         「ふふ、 死人(しびと)は私の得意分野です。 さあ、早く行きますよ。

                   聖なる光よ! 魔を打ち砕かん! 聖光天冥音(せいこうてんみょうおん)

 

 

一同      「だぁりゃー! ぎょわぁー! ぎえぇー! とりゃー!!!」

 

 

アミリ        「はぁはぁはぁ、、、、。」

レイ              「ちょっと、何息きらしてんのよ。 ニ十人はいけるんじゃなかったの?」

アミリ             「もう、五十匹はイッてるわよ! 一体何匹いるのよ!」

レイ              「しかたないじゃない、だってこいつら壊しても壊しても、再生してくるんですもの。

                    だからあなたが倒した後に、私が再生不可魔法をかけてるんでしょ!

そうよ、、、こういうのは再生不可魔法で倒すか、再生しない方法を考えなきゃいけないのに、、、。

なのに、なのに、、、あの熱血ばか、片っ端から壊すことしか考えてないんだから、、、。」

                   

ケン             「とうっ! たぁ! おりゃぁ!!!」(このばか)

レイ              「ちょっと! 後ろで再生してるの見なさいよ! それが全部こっちに来てるのよ! 分かってるの!」

 

ケン           「だぁりゃ! とぅ! どわぁ!」(聞いてない)

 

アミリ             「いやぁ〜、もう疲れた〜!」

レイ              「ちょっと! そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!  あなたがそうやって休んでたら、、、、。

                    ほら! 囲まれちゃったじゃない!!!」

アミリ             「げぇ〜〜〜。。。」

レイ              「こうなったら、残りの力で一つ大きいのをやるわよ!」

アミリ             「どうやってぇ〜、、、。」

レイ              「私に「気」を送りなさい! 仮にも武道家ならそれくらい出来るでしょ!?」

アミリ             「むっ! 「仮」じゃないもん! 出来るわよ! それくらい!」

レイ              「じゃあ、いくわよ! それで、私が合図したら一緒にこの呪文を言うのよ!」

アミリ             「わかったわ! まず気を送ればいいのね!

            はぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!(気を送ってる)

レイ              「悪しき心を持つ者よ、神の裁きを受けなさい!」

アミリ             「まさか、あんたと協力することになるとわね。」

レイ              「それはこっちのセリフよ。 つべこべ言っててとちらないでよ!」

アミリ             「ふんっだ。

                   大地の気流よ、汝に力を与えん。

レイ              その力よ、汝の糧となれ!」

ア・レ          「「はぁぁーーー! 金地魔(こんじま)昇天(しょうてん)!!!」」

 

   キィィィィーーーーーーーーーン

 

ガヤA       「うぉぉ、、、あっちは派手なの出したなぁ。」

C       「うううううおおおおおぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!

         アミリちゃん、かっこいいいーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」

E       「だぁーー! うるせぇ!」

 

D       「くそっ! ほんとに何匹いんだよ、これ!」

E       「おい、Bが疲れてきてるぞ。。。」

          「はぁ、、はぁ、、、。」

          「仕方ねぇよ、さっきから魔法使いっぱなしだもんな。」

          「う、う、、僕もうダメかも、、、。」

          「おい、しっかりしろって! あと少し、あともう少しだ!」

 

 

 

従者2    「おおい! みんな、ふせろぉーーー!!!

     おおおぉぉぉりゃぁーー!!!」

 

  ドオッッツーーーン!!!

 

 

ガヤA          「げほっ、っげほっ、、、。 おい、なんだ今のは、、、。」

   B          「なんか、あたりが白い、、、。」

   D          「おい! 見ろ!」

   E          「・・・スケルトンたちが、もう起きあがってこない、、、。」

 

 

 

レイ             「う、うう、、、何なのよ、、、今のは、、、。」

 

従者2         「はっはっは、オレ様特性の煙幕弾。」

従者1              「あまりキリがないので、ちょっと荒っぽかったですけど、彼が持っていた煙幕弾に、私が再生不可魔法をかけて、投げてもらったんです。」

従者2              「そういうこと〜。」

ア・レ                「もう! そんなの最初っからやってよね!」 「んもう! そういうのは最初っからやってちょうだい!」

 

従者1         「王様、もう大丈夫ですよ。」

 

 

 

               「いやぁ、皆の者、見事な戦いっぷりであった。 アミリも、先ほどの発言は誠であったな。」

アミリ            「いえ、それほどでも♪」

レイ             「途中でバテてたけどね。」

アミリ            「むぅぅ〜、なによぉ〜。」

ケン            「なぁなぁ! 俺もがんばっただろ!?」

ア・レ           「「あんたが一番迷惑だったわよ!!!」」

               「さ、さて、アミリよ。これなら強力部隊に入る資格は充分あるな。これからよろしく頼むぞ。」

アミリ            「は、はい!」

レイ             「足ひっぱらないでよね。」

アミリ            「べーーーーだ!!!」

 

               「それにしても、魔王め、いきなりあんなモンスターを繰り出してくるとは、、、。

           ここに戦士たちを集めたことで、ヤツも慌てておるということか、、、?

よし、ヤツが取り乱しているこのときが攻め時だ。これは皆には早々に出発してもらうのがよいな。

 

さあ、これで三人決まった。 あとの者はおらんか、、、。」

 

(がやがやがやがやがやがやがやがやがやがや)

 

                「今更だけどよぉ〜、これからあんなもんがゴロゴロ出てくるんだよなぁ〜。」

                「ほんとに今更だな。」

                「なあ、ほんとに俺たち勝てるのかよ、、、(泣)」

                「おい、何弱気になってんだよ。」

 

 

ランス       「王様。」(一応講堂に響くような声で)

               「お?」

ランス       「私にも任せていただきたい」

 

 

ガヤA       「おい、あれは誰だ?」

   C       「さぁ、しらねー。 っていうか、おれもう疲れた、、、。」

   B       「ぼ、僕も、、、。 でも、あの人なら僕どこかでみたことあるような???」

   D       「あのなぁ、、、お前ら何言ってんだよ。」

   E       「確かに、あの人ならオレでも知ってる。」

A       「ん? 一体誰だというんだ?」

 

 

王         「そなたはもしや、、、。トルドバール国のランス王子・・・。」

 

 

ガヤA       「トルドバール!?」

   B       「あ! そうだ! 思い出した!」

   C       「ええ、おい、なんなんだよ。」

   E       「トルドバール国。海の向こうにある小さな国だが、そこで訓練されている兵士たちは世界に名を残すよう

強者(つわもの)ばかりでな。」

   D       「そう、最近あった「愛国」(マナコク)と「恋国」(レンコク)の戦争でも、トルドバール国出身の兵士たちがかなり活躍している。」

   A・C     「「へぇ〜。」」

   E       「それというのも、あの王子がとても剣術に優れた人物で、率先して兵を鍛えているという噂なんだ。」

   A・C     「「ほぉ〜。」」

  

ガヤD       「おまえら、、、ほんとに分かってんのか、、、?」

   A       「いやぁ、確かにあの腰に下げた剣はかなり年季が入ってるよなぁ。」

   D       「、、、あのな。」

   B       「でも、そんな王子様が何でここに、、、。」

   D       「さあ、魔王と聞いて王子自ら出てきたってところなのか?」

   C       「おれは男には興味ねぇ。」

   E       「・・・誰も聞いてないし。。。」

 

 

王         「ランス王子ともあろう者が、よくぞ我が国に来てくれた。心から礼を言うぞ。」

ランス       「いえ、もったいないお言葉であります。」

 

 

ケン        「あいつ、そんなに強いのかよ。」

アミリ       「よくわかんないけど、とってもカッコいいよぉ〜♪

           一緒にパーティ組めるなんて超ラッキー♪

           (エヘヘ、あの人の彼女になれば、故郷のみんなも腰ぬかすわ。

だってアタシがお姫様になるんだもん!)」

レイ        「(やっぱり、、、。さっきぶつかった方はランス王子だったのね。)

         

           フっ、まったくあの方を知らないなんて、とんだ田舎者たちね。

           あの方はあんたたちとは格が違うの。その気になればドラゴンでも一撃で倒せるほどなんだから。」  

           

ケン        「へぇ、、、。ドラゴンでも、、、。」

レイ        「そうよ、だからあんたたちとはレベルが違うの。

           あまり変な目でみないで頂戴。」

アミリ       「なによ、そのまるで自分ならお似合いみたいな言い方。」

レイ        「当然でしょ。あの方の隣にふさわしいのは私しかいないわ。」

アミリ       「ちょっと、ちょっとちょっと!!!」

 

 

王         「というわけで、ランス王子もこのパーティに加わることになった。」

ランス       「みなさん、よろしく。」

 

ケ・エ・レ      「……。」 (適度な間を空けて)

 

アミリ       「うん! よろしく〜!

           (ムカつく魔法使いもいるけど、王子様と一緒にパーティが組めるんだもん。

がまん、がまん)」

 

ケン        「おう! よろしくな!

           (ここにいれば、いつでもこいつと戦えるってことだよな!)」

 

レイ        「よろしくお願いしますね。

           (まったく、この田舎娘、考えてることが丸分かりね。

            いいわ、はやくランス様とお近づきになって、たっぷりとみせつけてあげるから。ふふふふ)」

王         「さて、これで4人目が決まったな。それではあと、一人。

           一体どんな人物を入れたものか、、、。」

ランス        「王様、ここには皆をまとめる、いわば「勇者」という者がおりません。

           どうですか、そういった風格の者を加えてみては。」

 

ア・レ        「「え! ええ!」」

 

王         「「勇者」? 何を言っておる、王子がリーダーではないのか?

           お主の国では、お主が率先して兵を鍛えていると耳にしておるぞ。」

アミリ       「そうよ、そうよ! ランス王子がやればいいじゃない!」

レナ        「そうですわ! ランス様以外に適任者なんておりませんわ!」

 

従者2      「お〜、王子人気者だな。」

従者1      「まあ、あの風格ですからね。」

 

王        「ほら、彼女たちもこう言っておるし。。。」

 

ケン       「勇者ならいるぜ!!!」

 

一同       「ん???」

 

ケン       「ここに! 俺様がな!!! キラーン☆(←これも口で言ってね)

 

ア・レ       「「却下!!!」」

 

ケン        「ズデっ…。 な、なんだよ! 俺勇者にぴったしじゃねぇか! 俺じゃ不満だってのか!?」

 

ア・レ   「「不満!!!」」(全身、とくにお腹に力入れて、裏返った声で!)

 

ケン        「、、、なんだよ〜、、、。 そんな声を大にして言う事ないだろぉ〜、、、。」

 

 

王         「(無視) して、王子よ。本当にそなたはやらんのか?

           私としても、お主が一番適任者だと思うが、、、。」

レイ        「そうですわ、ランス様。」

アミリ       「アタシも! ランス王子がリーダーなら、なんでも言う事聞いちゃう!」

 

 

 

ランス        「…いえ、私はそんなに大した人間ではないので、、、。

           確かに、指導者としての経験ならありますが、私が父のように人の上に立つには、まだもう    

           少し色んなことを知ってからです。」

 

王         「そ、そうなのか、、、。」

アミリ       「うーん、そっか、、、ランス王子がそう言うんじゃ、、、。」

レイ        「そうね、、、ランス様がそうおっしゃるなら、、、。」

 

ア・レ        「「むっ! ふんっ!!!」」(お互いの顔をみて)

 

王         「それでは、後一人は「勇者」を加えるということにしよう。

      

           というわけで、誰か勇者志願者はおらんか!?」

 

  

   (待ってましたとばかりに騒ぐガヤ!)

 

   ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ

 

ガヤA       「ついにこのときが来たか!」

   D       「っていうか、すげー人数。。。」

   E       「仕方ないな。だってあんなすごいパーティを組めるなんて、もう二度とない機会だもんな。

           オレだって入りたい。」

   B       「僕も、魔法使いだけど、あのパーティに入りたいなぁ、、、。 すっごく頼りになりそうだし。。。」

   C           「そだな、ここに入りゃ、怖いものナシだよな! それに何よりアミリちゃんと一緒なワケだし///

                     うぉぉ〜しっ! おれもやったるぞ〜〜〜!!!」

 

 

従者2       「おおい、これじゃぁ、決まんねぇよ〜。」

従者1       「確かに、これだけいては…。」

王          「むむむむむ…。

            ええい、こうなったら仕方がない。よし、もうこの弓矢で決めるぞ。

            これだけ屈強の戦士たちがおるんじゃ。誰に当たっても同じじゃろう。」

ア・レ        「「そんな、なんていいかげんな…。」」

                「まあ聞け、これは只の弓矢ではない。これはアテナの弓矢と言ってな。

戦いに関して選択を迫られたとき、この弓矢を使えば、(いくさ)の女神であるアテナが正しい道を指し示してくれる、と言われておるのじゃ。」

アミリ            「んー、、、それでもやっぱり、射るのは人間だし、、、。」

レイ             「私も、私たちのリーダーをそんなもので決めて欲しくありませんわ。」

ケン        「だから、俺がやるっていってんのにーーー!!!」

エ・レ        「「はい、却下。」」 (あんまり感情込めないで、サラッと)

ランス       「(笑) (音は入んないかもしんないけど、笑って笑って☆)

            まあ、いいじゃないですか。 仮にも勇者なんですから、運も強い(かた)にお願いしたいですしね。」

エ・レ         「「ランス王子 様・・・。」」 (レナが「様」)

王          「そういうことじゃ。 では、いくぞ! あ、そ〜れ!!!」

 

  

 ぽ〜ん

 

ガヤA・B・C・D・E 「俺(僕)―――――!!!!!!!!!!!!!」 (Bだけ「僕」)

 

 パシュッ

 

テリー        「ん? ん、、、?」

王          「お、おまえは、、、。」

 

テリー        「???」

 

一同         「「「「「だ、誰!?」」」」」」

 

従者1       「あなたは、、、。」

従者2       「、、、これは、まさか、、、。」

 

テリー       「あ、、、あの、、、、な、なん、、、です、、、か、、、? こ、、、これは、、、?

この、、、額に張り付いてる矢は、、、。 (オロオロおろろ)

 ボ、ボクは、ただ、、、今日のお茶の準備を…。」 

 

従者1・2     「お茶くみのテリー!!!」

 

 

一同       (かなりの間)

 

 

アミリ      「え、、、。」

レイ       「い、今なんて、、、。」

 

ケン       「…お、お茶くみ?」

 

 

ガヤA      「お。」

   B      「お?」 

   C      「おお。」  (同じ「お」でも個性は大事に)

   D      「お」

   E      「お、、、。」 

一同  「お茶くみぃぃぃ〜〜〜〜!!!!???」

 

 

王         「あーあ。」

 

 

会場、大騒ぎ! 大パニック!!!

 

 

アミリ      「ちょ!ちょっと! うそでしょ〜!!!」

ケン       「ほらみろ〜! これなら俺のほうがずっといいじゃないかぁ〜!」

レイ       「お、おちゃ、、、おちゃ、、、おちゃ、、、おちゃ、、、、。」 (放心状態)

ランス      「あっははははははは。」 (楽しそうに。さっき出せなかった笑いの糸がここで切れた感じで。)

 

アミリ      「もう、ランス王子ったら、笑ってる場合じゃないでしょ!

          王様! これやり直して下さいよ!!!」

ケン       「だから俺にしとけばよかったんだー!!!」

レイ       「おちゃ、、、おちゃ、、、おちゃ、、、おちゃ、、、なんで、、、なんでなんで、、、。」

 

 

 

王   「静まれぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!!!」

 

 

 

一同    (シーン)

 

王        「うぉっほん、まあ、なにか、、、。そのー、、、。

          確かに、テリーはさっきも言ったように、長年この城に仕えている「お茶くみ」、、、である、、、。

          だが、、、だが、もしかしたら、テリーは、、、ふふ、そうだな、、、。

                 テリーはそんな捨てたものじゃないかもしれんぞ。

          この弓矢はテリーを選んだ。これも何かの縁じゃろう。

      

           テリーよ。というわけじゃ! この者たちと一緒に我が国を救う旅にでてくれるか?」

 

一同(ランスは除く)    「お、王様!!!」

 

テリー      「王様、、、。 でも、、、ボク、、、ボクは、、、。。。」

 

  ぽんっ (肩をたたく)

 

ランス        「よろしく、テリー君。」(にっこり)

 

テリー       「え、、え、、で、、でも、、ボク、、、。」

王子            「ん?」(にこっと)

テリー          「う、、、あ、、、あ、、、えっと、、、。

 

 よ、、、よろしくお願いします、、、。」 (負けた)

 

 

王         「さあ、皆のもの! ここについに「強力部隊」の完成じゃ!」

      

一同      「、、、お、、、、おおおおおおおおーーーーー!!!!!!」 (気を取り直すガヤ)

 

王         「だがこのチームだけが主戦力ではない! 

           さあ、もでパーティを作り、さっそく魔王の城へ行く準備に取り掛かってもらいたい!

           そしてこの国の平和を守るため、存分にその力を使ってほしい!」

 

一同      「お、、、おおおおおおおおーーーーー!!!!!!!」 (男声ほしいなぁ、、、男子、、、)

 

 

  (ガヤガヤガヤガヤガヤガヤガヤ)

 

 

ガヤA       「さぁ、俺達もいくぞ。」

   B       「え? 僕達でパーティ組むの?」

   C       「え〜、おまえらじゃ頼りねぇよ! それにどーせ組むなら、おれ、女の子とがいい!」

   D       「ま、ちょーど五人なんだからいいじゃねぇか。」

   E       「「これも」何かの縁かな。」

   D       「あいつらとも、道中で一緒になるかもなぁ(笑)」

   B       「一緒に戦ったりしてね♪」

   C       「うぉぉぉぉーーー!!! おれはアミリちゃんと一緒に戦うぞーーー!!!」

   E       「だからもういーって、それは。」

  

   A       「よしっ! いくぞ! おまえら!!!」

B・C・D・E     「「「「おうっ!!!」」」」 

 

 

テリー         「み、、みなさん、、、どうぞよろしくお願いします、、、。」

 

 

 

ア・レ・ケ        (…沈黙)

 

 

             (小声)

アミリ         「ねぇ、ちょっと! ほんとにこれでいいの!?」

レイ           「し、仕方ないでしょ! もう今更変更なんてできないわよ!」

 

ケン           「だから、俺にしとけばよかったのに〜!」

 

ア・レ          「「くぅぅぅーーー、、、うるっさぁぁぁぁい!!!」」 (八つ当たり)

 

 

ランス          「そうか、じゃあ君はお茶の葉だけじゃなく、葉っぱなら何でも詳しいんだね。」

テリー         「は、はい。 子どもの頃はよく野山を散歩していましたので、、、。

              薬草になる葉っぱとかも知ってますよ、、、。調合すれば、もっといい薬が出来たり、、、。」

ランス          「ほう、それはそれは。」

 

 

 

 

ナレーション   全国より集められた屈強の戦士たちにより、史上最強のチームが完成する、、、はずだった「強力部隊」・・・。最後の最後でとっぴょうしもないことが起こってしまいました。。。

           果たしてこんなパーティで本当に魔王を退治することができるのでしょうか?

       

 

           しかし、ランス王子はテリーの隠れた才能に気づいたみたいです。

           この後、テリーがみんなを驚かすことになる日がくるのは、そう遠くないかもしれませんよ(笑)?

 

 

                    

                                          

 

 

           気が向いたら続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 選ばれた…勇者(?)

                            アイディア  RK氏・PK・KT氏・FS氏 

                                        他 平成十九年度 二年

                               シナリオ・キャラ設定    鸇 瑞月 

 

 登場人物

                                                  

・テリー                   薬剤師・調合師                     本名 テリー・テラー                     一人称 「ボク」

 

・アミリ                    武道家 兼 舞踏家               本名 サイタ・ハナコ                             一人称 「アタシ」

 

・ケン                     戦士                                    本名 ケン・アルハミリア                        一人称 「俺」

 

・レイ                     魔導師 兼 召喚士               本名 レイ・コーネリア                            一人称 「私(わたくし)」

 

・ランス                  剣士                 本名 ランス・トルドバール                      一人称 「私(わたし)」

 

・王様                    王様                                    本名 コロスケ・ドン・ローレライ        一人称 「私(わたし)」

 

・従者1                  僧侶                                    本名 ミシェル・カムイ                           一人称 「私(わたし)」

 

・従者2                  砲撃士                                本名 レイブン・ロード                            一人称 「オレ」

 

・従者3(ナレ)         兵士                                    本名 ネイム・ナナシ                            一人称 「わたし」

 

・ガヤA                  ファイター                     本名 アルファ・ウン                             一人称 「俺」

 

・ガヤB                  回復系魔術師                       本名 ベータ・ドィス                              一人称 「僕」

 

・ガヤC                  山賊                                    本名 キー・トレース                     一人称 「おれ」

 

・ガヤD                  アサシン                               本名 デルタ・クァトロ                            一人称 「俺」

 

・ガヤE                  スナイパー                            本名 エプシロン・スィンコ                      一人称 「オレ」

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