大神君

      大神君



      昔々、あるところに「大神」という5歳のちびっ子がいました。
     大神君はごく普通の子どもであり、ごく普通に幼稚園に通うという日々を送っていました。

     しかし、ある日を境に大神君の人生は180度変わってしまったのでした。

     それは…。


      ピシャーーーー!!! (効果:雷)


     その運命の日、なんと、先生が「赤ずきんちゃん」や「イソップ物語」の話を、「よい子のお昼寝タイム」にしたのが事の始まりでした。


      その時から、地味で平凡でごくふつーーーーうの目立たない人生を送っていた大神君は、
     一変して、みんなの注目をあびるようになり、大神君は人間であるにもかかわらず、「狼は人を食べるんだ!」
     とお昼寝タイムに寝もしないでバカ騒ぎをしだした子どもたちに、虐められるようになってしまったのです!
     ちなみに、大神君の大神は「大きい神様」で大神君なのです。決して獣の「狼」ではないのです!

       しかし、それも低レベルな幼稚園児たちには関係のないお話でした…。





  3人組 『やーい、やーい、おおかみ!♪おおかみ!♪
       大神は人をたべるんだぞ〜!♪
       ぎゃ〜!にげろ〜!♪
       おおかみにんげん!♪おお!紙がない!♪』(三部合唱)

  大神君 「う、、う、、、。(なんだよぉ、ぼくはひとなんだぞ…。
       同じ「ひと」なんか食べられるわけないじゃないかぁ…。)」

  委員長 「ちょっと!だめだよ!!!」

  馬戸  「あ、いいんちょー!」
  小田売 「なんだよぉ!もんくあんのかぁ!」
  河原  「大神は狼だろ〜?」

  大神君 「(い、いいんちょう、たすけてくれるの?やっぱりいいんちょうだなぁ、、、。(感激))

  委員長 「そうじゃなくて!!!これはラジオドラマなんだよ!
       そんな「おおかみ」をれんぱつしても、聞いてるひとには使っている漢字が分からないんだから、そんなダジャレを言ってもわかりにくいだけだよ!」

  大神君 「(ドテっ)」 

  馬戸  「あ、そっかぁ。」
  河原  「いいんちょーはあったまいいなぁ。」
  小田売 「そうかぁ?いまのいいんちょーのなっがいせりふの方がよっぽどいみが分からないとおもうけど…。」

  委員長 「まあ、そんなこといいから、もうすぐおやつのじかんだって。行ってきたらどうだい?」

  小田売 「お?もうそんな時間か。おっしおめぇらいくぞ!」
  馬戸  「おう!いくぞ!」
  河原  「よし、いくぞ!」

  三人  『おおかみ!♪おおかみ!♪大神は狼!♪
       おそばによると、くわれるぞ!♪
       ぎゃーははははは!』(混声合唱)


  委員長 「…。」
  大神君 「…。」

  大神君 「あの…。いいんちょう…?たすけにきてくれたんじゃないの…。」
  委員長 「そりゃ、たすけにきたとも!」
  大神君 「じゃあ、いまのなに…。」

  委員長 「まあ、ききたまえ!狼君!」

  大神君 「…もうその名前で呼ばないで…。」
  委員長 「だって、君の下の名前はまだ教えてもらってないよ?名札には苗字しかかいてないしね。」
  大神君 「…正(ただし)だよ。」
  委員長 「ふむ、まあごくごく平凡なよい名前ではないか。」
  大神君 「「ごくごくへいぼん」…って…。」

  委員長 「でだ!ただし君!君はぼくがたすけにきたのではないと思ったようだね?
       しかし、それはおおきなまちがい、であーる!」
  大神君 「?なんでいきなり、「である」調?」

  委員長 「いや、なに、この間、ぼくがまじめにお勉強していたとなりで、テレビがついていて、
       そこでやっていた「くしゃみをするとつぼの中からきょだいまじんが出てきて、主人公をたすけるうんぬんかんぬん」
       という番組にひじょうにきょうみをもったであるからなのだよ。」

  大神君 「…とにかく、まじめないいんちょうは、テレビを見ながらお勉強していて、けっきょくその番組を全部見て、
       きょうみまで持ったというのに、ぼくをたすけるどころか一緒にけなしにきたってわけなんだね…。
       しかもさいごの「である」はぜったい使い方まちがってるし…。」

  委員長 「む?いうね、君も。
       でも、けなしにきたというのはだんじてちがうぞ。
       むしろ君をたすけにきたのではないか。」

  大神君 「…ぼくは、くしゃみはしてないよ…。」

  委員長 「ん〜。まったく信じてないな?
       じゃあ、けっかろんをいおう。
       君は今「いじめられている」かい?」

  大神君 「あ…。」
  委員長 「だろ?僕がああいったことで、あの3バカどもは君の元から離れ、君をいじめることよりおやつに夢中になったのではないか。」

  大神君 「だからって、あんないじめのやめさせかたってあり?」
  委員長 「ありだとも!おかげで「君の味方をした」と思われなかった僕がいじめられることもない!」

  大神君 「そこまでいわなくていいよ!」

  委員長 「まあなんにせよ、よかったではないか。これもひとえに僕のおかげ。」

  大神君 「よくないよ!こんぽんてきなかいけつになってないから、あいつら、おやつをたべおわったらまたくるじゃないか!
       あいつらだけじゃないよ!もう幼稚園中そんなこというやつばっかだし!ぼくなんにもしてないのにぃ!
       う、、うう、、、うわーん、わーん、わーん、わんわん。」

  委員長 「うわー、なくな、なくな!こんなところで泣かれたら、まるでぼくがいじめてるみたいじゃないか!」

  大神君 「うわーん!いいんちょうがいじめるーー!」(ヤケになってる)
  委員長 「だぁぁーーー!もうーーー!」

  女子1 「あれー、だれかないてるよー。」
  女子2 「あ、あれ!ちゅーりっぷ組の大紙君。」
  女子3 「あ、あれがうわさの狼君?」
  女子2 「ちがうよ!けものの「狼」じゃなくて、「大きい紙」の「大紙君」。」
  女子1 「え、ちがうわよ。「大きい神様」の「大神君」よ。」

  委員長 「くぉら!そこの女子!!!わけのわからない話をしてよけいに話しをややこしくするなぁ!」

  女子共 『きゃぁーー、なにこのひとー!こわぁーい!ひとさらいーー!』

  委員長 「え?!あ、おい!」

  小田売 「あ、みろよ!いいんちょーが大神を泣かせてるぞ!」
  馬戸  「うわぁ!いいんちょーがそんなことしていいのぉ!」
  河原  「なーかせたぁ、なーかせた!いーけないんだぁ!いけないんだぁ!」

  委員長 「なんだとぉ!もとはといえば、おまえらが!
       っていうか、おまえらおやつはどうした?!」

  河原  「おれらは良い子だから、だれかがだれかをいじめてるってきいたら、すぐに先生にいうぎむがあるんだ!」
  馬戸  「そうそう!「いじめ」と聞いたらほっとけないよ!」
  小田売 「それがおれたち、小田売、馬戸、河原のさんにんだぜ!」

  三人  『略して〜!ウルトラとりお!!!』

         ババン!

  委員長 「(…なにがウルトラとりおだ!頭文字で略せばオバカトリオじゃないか!
       だいたい、いじめてたのはこいつらのくせになにいってるんだ!だからオバカなんだ!)

       っていうか、大神!泣くのはもうやめろ!」

  河原  「うわ!「狼!遠吠えはもうやめろ」だと!?」
  馬戸  「ひどい!ぼくたちがかんがえつかないようなことばの遊び!いいんちょうならではのいじめだ!」
  小田売 「いいんちょーがそんなこと言っていいのかよ!」

  委員長 「なんだと!そんなつもりで言ったのではない!」

  大神君 「うわーん!わーん!ひっく!ひどいよぉ!」
  委員長 「こら!大神!」

  小田売 「あのいいんちょーが!」
  馬戸  「いつもまじめにみせてただけだったんだね!」
  河原  「うそつきはどろぼーのはじまりって先生がいってたぞ!」
  小田売 「うわー、どろぼーにはちかづくなぁ!」

  三人  『どーろぼー♪どーろぼー♪どーろぼー♪』(輪唱)

  委員長 「うぬぬぬぬ…。」

  先生  「こらー!そこ!なにやってるの!!!」
  委員長 「うがーーー!!!」

  先生  「まあ、あの真面目な委員長君が、大神君を虐めてたですって?!
       まったく、虐めは絶対ダメなのよ!どんな理由があろうともね!
       委員長君は当分大神君と一緒に遊んであげなさい。

       もし、先生の言うことを守らずに、大神君をほっぽりだして、他の子と遊んでたら…。ふふふのふ。」

  委員長 「はい、わかりました…。」




  大神君 「「たすける」ってこういうことをいうんだとおもうな?(にっこり)」
  委員長 「くそぉ、君の方が一枚うわてだったか…。」

  大神君 「コリツしている子は一緒になっていじめるんじゃなくて、おともだちになってあげることが大切だとおもうよ☆。」
  委員長 「ん?ちょっとまて、誰がいっしょになっていじめてたって。
       僕は君をいじめてなんか。」

  大神君 「これからは、ずっとぼくのそばにいて、「一緒」にいじめられようね☆」

  委員長 「…はぁ、、、。、君はそのずるがしこさで、敵に向かっていこうとは思わないのか…?」
  大神君 「そんなめんどうなことしたくないもん。」
  委員長 「…。まったく…。君にはあきれるよ。」


  アリア 「あら、勉。」
  委員長 「アリア…。」

  大神君 「あれ?君は…。」

  アリア 「あ、そっちの子は、今ようちえんで有名な「大神君」じゃない。」
  大神君 「そういう君は、、、ききょう組の花房アリアちゃん!?うわぁ!いいんちょう、ようちえんでいちばんのびじんさんとしりあいなの?!」

  アリア 「まあ、ありがと。あたしと勉は家が近所で、親同士が仲がいいから、もっと小さい頃から、一緒にいたのよ。」
  委員長 「アリア、そういう話はやたらめったに人にするものではない。
       ただでさえ、僕も目をつけられてるようなかんじになってきているのに、
       おまえと幼なじみだとバレたら、また周囲の目がきびしくなるだろう。」

  アリア 「あー、そういえば、勉、大神君をいじめてたんだってね。
       しかもこうていの真ん中でどうどうと。
       あーあ、こんなやつが幼なじみなんて、あたしやだなぁ〜。」

  委員長 「む!アリア!おまえまで!!!」
  アリア 「あはは、じょうだんよ!じょうだん!勉なら、そんな「こうしゅうのめんぜん」じゃなくて、もっとうまくやるものね☆」
  委員長 「むぅ、そのいいかたもどうかとおもうが。。。」

  大神君 「(…なんか、このふたりのかいわってすごいなぁ…。ぼく、ついていけそうもないや。)

       ねぇ、アリアちゃん、きみはぼくのこといじめないの?
       あかずきんやイソップのおはなし、ききょう組でもしたんでしょ?」

  アリア 「ええ、したわよ。でもね、大神君、あたしが、そんなおはなしを聞いて、そんな低レベルないじめをするようなにんげんに見えて?」
  大神君 「い、いえっ!とんでもない!」
  アリア 「そうでしょ?ましてや、勉みたいに、まわりくどくじぶんの安全を考えて助けることもしないわ。」
  大神君 「え?それってどういう…。」

  アリア 「ふふ、あたしとお友達になりましょ!大神君。
       実はあたし、大神君に前からちょっときょうみがあったのよね。
       だって、大神君って、「大きい神」って書くでしょ?
       この間テレビで見たもの。神様っていうのは、人々の願いを何でも叶えてくれるって。
       だからもしかしたら、大神君ってただものじゃないのかな!?ってずっと思ってたのよ。」
  委員長 「そんなこと信じているおまえも、まだまだ子どもだな。」

  大神君 「でも、アリアちゃん、、、。ぼくには多分、そんな力はないとおもうよ。」
  アリア 「いいのよ!いつか目覚めるかもしれないじゃない!」
  大神君 「そうかなぁ、、、。」
  アリア 「それにあたしといれば、きっとみんなあまりいじめてこなくなると思うの。
  アリア  ね?悪い話じゃないと思うけど。」
  委員長 「確かにこいつは、幼稚園で他の男子どもをいいように使ってるからなぁ。」

  アリア 「ちょっと、勉!変なふうにいわないでちょうだい!」
  大神君 「ほ、ほんとにおともだちになってくれるの・・・?」
  アリア 「もちろん!」
  大神君 「ぼ、ぼく、今とってもうれしいよ。」
  アリア 「こちらこそ、おともだちになってくれてうれしいわ。
       それじゃあ、これから、大神君とあたしと勉はこれから何があっても、おともだちでいることをやくそくしましょうね!」
  委員長 「げ!なんで僕まで!?」

  アリア 「いいわね、勉。」

  委員長 「ぐ、、、。」

  アリア 「それじゃあ、明日また、ようちえんでね!」
  大神君 「あ、うん!またね!」


  委員長 「…いいのかい、大神君。あいつはあいつの言うことを聞かなかったりして、一度おこらせたりすると、とてつもなくタチがわるいぞ…。」
  大神君 「え、、、でも、そんなふうに見えないけどなぁ…。」


  アリア 「あ!大神君!」
  大神君 「え!? なに?アリアちゃん!」

  アリア 「なにか「しんぴのちから」とか、そういうものがはつどうしたら、いのいちばんにおしえてね!」

  大神君 「え。。。」
  アリア 「絶対よ!!!」
  大神君 「…。」


  委員長 「これは、そっこくなにかを「はつどう」しないと大変なことになるぞ…。」
  大神君 「…。」



   その夜

  大神君 「ううん、、、。う、ううん、、、、。」
  謎の声 「聞こえるか、、、。」
  大神君 「ん、、、?ん・・・???」
  謎の声 「聞こえるか、、、。我が同士よ、、、。」
  大神君 「ん、、、だれ。。。?だれなの…?」
  謎の声 「私はお前と似て非なる者。」
  大神君 「なにをいってるの、、、?」
  謎の声 「よく聞け。。。お前は本来「こちら側」の者なのだ。」
  大神君 「なに、、、?なんのこと、、、。」
  謎の声 「石碑を、、、。」
  大神君 「まって!どういうことなの?ねぇ!!!」


   翌日

  アリア 「おはよう!大神君!」
  大神君 「お、、、おはよう、、、。」
  勉   「おや、ねぶそくか?くまができてるぞ。」
  大神君 「おはよう、、、ふたりとも、、、。んー、なんかきのう、へんなゆめをみて。。。」
  アリア 「ゆめ!?どんなゆめ!?もしかして、だいまおうが降ってくるとかのよげんかなにか!?」
  勉   「なにをわくわくしてるんだ、おまえは…。」

  小田売 「お!大神が来たぞ!」
  馬戸  「ほんとうだ、ついに狼がきたぞ!」
  河原  「今日も人を食いに、ようちえんにやってきたぞ?!」

  大神君 「…また出た。」

  河原  「おれたちみたいな、子どもはやわらかくってうまいらしいからな?!」
  小田売 「でも、そんなことはさせねぇぞ。」
  馬戸  「ふっふっふ、じゃぁーーーん!!!」

  大神君 「な、、、なんでそんなもの、、、。」
  勉   「けっこう大きなみずでっぽうだな…。」

  河原  「狼はてっぽうでおいはらうのがいちばんいい、っておかあさんが言ってたんだ!」(ちなみに本物の「狼」です。良い子はまねをしてはいけません。)
  小田売 「さぁさぁ、うたれたくなかったら、さっさと山へかえるんだ!」(絶対鉄砲は人に向けて撃ってはいけません!かなりイタイです!!!)
  馬戸  「やーい、やーい、おおかみ、おおかみ!」

  大神君 「う、、うう、、、、(泣)」
  勉   「あれは、当てられたらつめたそうだ。」

  アリア 「んもう! こんなときになにいってんのよ!勉! 

       ちょっとアンタたち!!! いいかげんにしなさいよ!!!」

  河原  「ア、アリアちゃん?!」
  馬戸  「なんでこいつと一緒に…。」
  小田売 「アリアちゃん、こんなやつと一緒にいるときけんです!
       さぁ、ぼくたちといっしょにいきましょう!」

  アリア 「じょうだんいわないで! あたしのおともだちをつかまえて、なにを言い出すのかとおもったら!大神君にあやまりなさい!」

  河原  「なに?!」
  馬戸  「アリアちゃんとこいつがおともだち!?」
  小田売 「なにをいってるんですか!?あなたはこいつとは住むべきところが違います!
       バカなことを言ってはいけません!」

  アリア 「バカなことを言ってるのはあなたたちよ!
       いいこと!これいじょう、あたしのお友達にひどいこといってみなさい!
       すぐさま先生にいいつけてやるから!」

  三人  『せ、せんせい…。』

  小田売 「くそ、おぼえてろよ!おおかみ!」
  馬戸  「やーい、やーい!おおかみ、おおかみ!」
  河原  「おい、もうまずいって!」

  勉   「(パチパチパチパチ)いやぁ、じつにみごとだったな。見ていてスカっとしたぞ。」
  アリア 「もう!なにのんきなこといってるのよ!こういうばあい、たすけるのはふつう、男の子のしごとなの!」
  大神君 「アリアちゃん、ありがと〜(泣)」
  アリア 「いいのよ、もう、そんなに泣かないで。」

  謎の声 「うーっむ、、なんたることだ、、、。
       私と同等の力を持つ者が、あのようなおなごに助けられているとは、、、。
       やはり、いっこくも早く連れ戻さねば…。
       しかし、あの「石碑」の元に行ってくれないと、私もどうにも…。」

  アリア 「ところで、大神君。さっき「ゆめ」がどうの、って言ってなかった?」

  謎の声 「お!いいぞ! そのまま「石碑」のことに、たどり着いてくれれば…。」

  勉   「そういえば、なにか言っていたようだったが、なんだったのかね?」
  大神君 「え、あ、うん、、、。なんか昨日変なゆめをみたんだけど…。」

  謎の声 「うむ、うむ。」

  大神君 「なんか、いまのごたごたで、よく分かんなくなっちゃった。」
  勉   「そうか。」

  謎の声 「こらーーー!!!」

  勉   「まあ、夢なんてそんなものだよ。」

  謎の声 「おい、そこで簡単に終わらすな!」

  アリア 「でも、大神君変なゆめだって言ってたじゃない!
       やっぱりなにかあるのかもしれないわよ!?
       どっかの湖でノッシーがあらわれるとか、はたまたとてつもない大地震が日本をおそうとか、そういうよちむだったかもしれないじゃない!」
  大神君 「いや、そういうものじゃなかったような…。」

  謎の声 「でも、それくらい大事なことだ!思い出せ!」

  勉   「まぁ、アリア、そんなことが起こるのは現実ではほとんどないんだ。
       あったとしたら、それこそテレビの中だ。」

  謎の声 「おまえはもう邪魔するな。」

  アリア 「まったく、これだから勉と話しているとイヤなのよ。
       世の中には、まだ科学ではしょうめい出来ないことがたっくさんあるのよ。
       それなのに、そんなはなから疑ってかかってたら、じんるいは何のしんぽもとげないわ。」
  勉   「なにを、僕ははなから否定しているわけではない。ただ、それにめぐり会うかのうせいがひくすぎるということを言ってるのであって。」

  謎の声 「こいつら本当に幼稚園児か…。」

  大神君 「もういいよ!こんなことでけんかしないで。アリアちゃん、ぼくちゃんとおもいだしてみるから。」
  アリア 「え、あ、ごめんなさい。なんかムキになっちゃって、、、。思い出して気分がわるくなるようなら、むりに思い出さなくてもいいから。」
  勉   「まあ、思い出してもらったほうが、僕たちはなっとくして、今から幼稚園ライフを送れるがな。」
  アリア 「ちょっと勉!」
  大神君 「わかったよ…。えっと、あれは…。うんと…。なんか変な声が聞こえて…。」

  謎の声 「変な声とは酷い…。」

  大神君 「それで、ぼくは「こっち側」の人間とかなんとか。」
  勉   「こっち側?」

  謎の声 「そうだ、そこから重要なんだ。早く石碑に…。」

  大神君 「うん、そこまでで目が覚めたんだ!」
  勉   「ほう。」
  アリア 「へぇ。」

  謎の声 「なっにーーーー!!!!!」

  勉   「ふむ、今のだけではとりわけ何かがあるとも言えないな。」
  アリア 「そうね、たしかにふしぎだけど、それだけじゃあ、何とも言えないわね。」

  謎の声 「違うだろ!私はちゃんとそこから、「石碑」のことを伝えたはずだぞ!
       なぜそこで終わる!え!?こら!ちゃんと思い出せ!!!」

  大神君 「うん、でもとってもふしぎなかんかくだったから、その後もあんまりねむれなくて。」
  勉   「そうか、まあ、お昼寝タイムにしっかり寝るといいよ。」
  アリア 「そうね、さあ、もうすぐ朝のあいさつのじかんになるわ、もう行きましょ。」
  大神君 「うん!」


  謎の声 「くぉら!!!まてぇぇぇぇぇーーーーーーーーーー!!!!!!」





      次回予告!

    「突如大神君に聞こえてきた謎の声!
     それは、またお昼寝タイムのときにも聞こえてくるのであった。
     謎の声に導かれるままに向かった、石碑に隠されたものとは?!
     自分は一体何者なのか?!「自分」を求めて旅立つ、小さな戦士達!
     そこで辿り着いた真実とは?!

     さまざまな葛藤を描いた青春アドベンチャーノベルス!
     ここに「発動」。」





  ・・・はい、とりあえず、プロローグを終わっておきます。。。




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