マンホールの中に?!

  マンホールの中から出て、通りを歩くあたしたち。


  「フィス、どうやって犯人見つける?」

  「う〜ん、そうだなぁ。向こうから出てきてくれるといいんだけどなぁ。」

  「じゃあ、やっぱりおとり作戦!?」

  「それしかないよなぁ〜。」


  あんなにあっさり犯人を捕らえてきてやるといったけど、実をいうとあたしたちは対策を何も考えていなかった・・・。
  でも他にあいつに何て言えばいいか分からなかったし・・・。


  「まあ、なるようになるよね。」


  あたしはちょっとお気楽に言ってみた。


  「ああ、なんとかなるだろ。」


  フィスもそう言ってくれたから、あたしは余計に安心した。




  だけどその時・・・。





    ギンッ!!!


    ビクッ!!!




  あたしたち二人は、背後に鋭い殺気を感じた。


    バッ!!!


  すぐに振り返ったが、辺りには誰もいなかった。


  「フィス、、、今、何かいたよね、、、?」

  「ああ、すごい敵意を感じたぞ・・・。」

  「、、、でも、誰もいないね・・・。」

  「ああ、、、。」


  ・・・・・・・。


  あたしは黙ってしまった。
  だって、モンスターだってあんな鋭い視線は投げかけて来ない。
  さっきのあれは、明らかにあたしたちに向けた視線だった。
  あたしはすごく怖くなった。


  「おい、大丈夫か?」

  「あ、、うん、、、。でも、犯人、あたしたちの前に来るかもね、、、、。」

  「ああ、そうだな。」









  あたしたちはまた歩き出した。


  「これからどうする?」


  フィスはさっきの怖くなかったのかな?でも、あれで怖がってちゃ、この先やってられないかなぁ。


  「ねぇ、フィス?」


  あたしが返事をしてくれないフィスに、もう一回呼びかけた。


  「なぁ、アク・・・。」

  「?」

  「・・・・・・なんかうまそうな臭いがしないか!?」

  「???」


  と、思った途端、フィスは走り出した!




  え!?ちょ、ちょっと待ってよ!!!












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  ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・。やっと追いついた・・・。


  フィスはなんとさっきの場所から200mも離れていた、この料理店の前に居た。


  「さっきの臭いはここからだったんだな!」


  フィスは嬉しそうに言った・・・。


  んもう!やっぱりフィスはフィスなんだから!!!
  いったいどういう嗅覚してんのよ!


  「アク、腹も減ったし、ここで何か食べていこう!」


  そう言って、フィスは料理店に入って行った。




  だぁ〜〜〜!この男わ!!!





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